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ここから生活戦争が始まるのです。赤ん坊が生まれました。夜泣き出すのですが、若い二人はアパート生活ですから隣の人が眠れないだろうと気にかかります。名案を思いついて、壁に穴をあけて、まさ子の足に結びつけ、泣いたらそれを引くようにして、周囲の人々に迷惑をかけないようにしました。
二人の子供ができて、ますます大変な二人です。近所に矢作商店というお店があり、まさ子のことを心配してくれてある日、知人の共産党の議員さんが市長さんと会い、子供の事情を話して幼稚園に入るようにしてくれたそうです。
岩槻市の幼稚園では一冊のノートに家庭のできごと、また幼稚園では幼稚園のできごとを記入して交換しました。
二人の子供もすくすく育ち、兄の秀夫は県立高校を卒業し、福祉専門学校を終えていま施設に勤務、社宅に住んで、「熊沢先生、熊沢先生」と慕われているようです。弟の幸広も同じ高校を出て旅行関係の専門校を卒業しました。
一挙に書いてみると、川の流れのように思えますが、多事、多難な人生でした。同じ立場、悩みのあったお母さん方、これからも元気を出して頑張りましょう。

 

 

 

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